「最近、ダイエットがうまくいかない…」と感じていませんか? それは、もしかしたら「コルチゾール」が原因かもしれません。
コルチゾールは、ストレスに対抗するために分泌されるホルモンですが (1)、過剰になると食欲を増進させたり、脂肪を蓄積しやすくしたりと、ダイエットの妨げになることがあります。(2)
この記事では、コルチゾールがダイエットに与える影響を詳しく解説し、その対策についてもお伝えします。
コルチゾールの働きを理解し、適切に対処することで、ダイエットの成功に近づきましょう!
コルチゾールとは?
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。(1) ストレスに対抗するために分泌され、血糖値を上げ、エネルギーを供給する働きがあります。(1) また、免疫反応の調節にも関与しています。(1)
コルチゾールの分泌量は、朝に多く、夜に減少するという日内変動があります。(2) しかし、睡眠不足や慢性的なストレスによってこの分泌リズムが乱れると、肥満、高血圧、糖尿病などのリスクを高める可能性があります。(3)
コルチゾールとダイエットの関係
コルチゾールは、ストレスに対処するために必要なホルモンですが、過剰に分泌されるとダイエットの妨げになることがあります。(4)
具体的には、コルチゾールには以下のような作用があります。
- 脂肪の蓄積を促進: コルチゾールは、脂肪細胞に作用し、脂肪の分解を抑制し、合成を促進します。(4) 特に、内臓脂肪細胞にはコルチゾール受容体が多く存在するため、内臓脂肪が蓄積されやすくなります。その結果、内臓脂肪型肥満のリスクが高まります。
- 食欲を増進: コルチゾールは、食欲を刺激するホルモンであるグレリンの分泌を増加させ、満腹感を感じさせるホルモンであるレプチンの働きを抑制するため、過食に繋がりやすくなります。(4, 5, 6)
- 筋肉の分解を促進: コルチゾールは、筋肉の分解を促進し、基礎代謝を低下させる可能性があります。(4) 基礎代謝が低下すると、エネルギー消費量が減り、太りやすくなります。
- 代謝を低下: コルチゾールは、エネルギー代謝を低下させ、脂肪を燃焼しにくい体質に導く可能性があります。(4)
ストレスを感じると、脳から指令が出て、コルチゾールというホルモンが分泌されます。(5) コルチゾールは、身体をストレスから守るために必要なホルモンですが、分泌量が多すぎると、食欲が増したり、脂肪が蓄積しやすくなったり、筋肉が分解されやすくなったりすることがあります。
コルチゾールをコントロールするための対策
コルチゾールの分泌量を調整し、ダイエットを成功に導くためには、ストレスをコントロールすることが重要です。ストレスコントロールの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
ここでは、ストレスコントロール以外にも、コルチゾールのコントロールに役立つ対策をいくつかご紹介します。
- 質の高い睡眠: 毎日同じ時間に寝起きし、7時間程度の睡眠時間を確保しましょう。(7) 寝室の環境を整え (8)、リラックスして眠りにつくことで (9)、コルチゾールの分泌リズムを整えることができます。
- バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。(10) 特定の栄養素に偏ることなく、様々な食材を摂取することで、コルチゾールの分泌を抑制し、健康的なダイエットをサポートします。
- 適度な運動: 無理のない範囲で、適度な運動を継続しましょう。(11) 運動はストレス解消効果だけでなく、コルチゾール分泌の抑制にも役立ちます。
まとめ
コルチゾールは、ストレスに対処するために必要なホルモンですが、過剰に分泌されるとダイエットの妨げになることがあります。
コルチゾールは、脂肪の蓄積、食欲の増進、筋肉の分解、代謝の低下など、様々な形でダイエットに影響を与えます。
コルチゾールをコントロールするためには、ストレスを管理することが重要です。
その他、質の高い睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動なども、コルチゾールのコントロールに役立ちます。
コルチゾールの働きを理解し、適切に対処することで、ダイエットの成功に近づきましょう!
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