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「ダイエット中にケーキを食べるなんて、やっぱりダメよね…?」

そう思ったことはありませんか?多くの人が、甘いものや高カロリーな食べ物に対して、罪悪感を抱きがちです。でも、ちょっと待ってください!食べ物に対する見方を変えるだけで、ダイエットの成功率がぐんと上がるかもしれないのです。

チョコレートケーキは「ギルティ―」か「ご褒美」か?

Kuijerらの研究では、チョコレートケーキという典型的な「魅惑の食べ物」に対する人々の認識が、その後の行動やダイエットにどのような影響を与えるかが調査されました。 

この研究で重要なのは、チョコレートケーキを「罪悪感」と結びつけて捉える人と、「お祝い/ご褒美」と捉える人とで、その後の行動に違いが見られたことです。

罪悪感の落とし穴

魅惑の食べ物に罪悪感を抱いてしまうと、まるで負のループに陥ってしまいます。Kuijerらの研究によれば、罪悪感を感じる人は、単にその時食べ過ぎてしまうだけでなく、その後も健康的な食事を摂る意欲が低下してしまう傾向が見られました。まるで「どうせもうダメだ」と諦めてしまうように、食生活全体が乱れてしまうのです。

また、自分の食行動をコントロールできているという感覚も薄れてしまい、「またやってしまった…」という後悔の念が強まります。その結果、「健康的な食事を摂らなきゃ」という意欲も低下し、将来的に健康的な食生活を送ろうという意欲まで削がれてしまうのです。

つまり、罪悪感を感じることで、

  • 健康的な食事への意欲低下
  • 食行動のコントロール感の喪失
  • 将来的な健康的な食生活への意図の低下

という負の連鎖が生まれてしまうのです。

「ご褒美」という言葉の力

一方で、魅惑の食べ物をお祝いやご褒美といったポジティブな感情と結びつけて捉える人は、全く異なる傾向を示します。ケーキを一口食べることで心が満たされ、その後の食事でもバランスを取ろうという意識が自然と働くのです。

研究では、ご褒美と捉える人ほど、普段から健康的な食事を積極的に摂ろうとしていることが明らかになっています。自分の食行動をしっかりとコントロールできているという自信も持ちやすく、「今日はケーキを食べたから、明日は野菜を多めに摂ろう」といったように、前向きな気持ちで食生活を管理できるのです。その結果、将来にわたって健康的な食生活を送ろうという意欲も高く維持できます。

つまり、ご褒美と捉えることで、

  • 健康的な食事への積極的な意欲
  • 食行動のコントロール感の維持
  • 将来的な健康的な食生活への高い意図

という好循環が生まれるのです。

「ご褒美」に変えるための実践的なアドバイス

では、罪悪感を「ご褒美」に変えるためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

  • 食事を楽しむことを意識する: 食事は本来、楽しい時間です。「これはダメ」「あれはダメ」と制限ばかりを意識するのではなく、食事そのものを味わい、楽しむことを意識しましょう。

  • 「ご褒美の日」を設定する: 週に一度など、あらかじめ「ご褒美の日」を設定し、その日は好きなものを罪悪感なく楽しむようにしましょう。計画的に取り入れることで、過度な我慢を防ぎ、精神的なバランスを保つことができます。

  • 食事の記録をつけ、自分の食行動を客観的に見つめる: 食事の記録をつけることで、自分がどのような時に罪悪感を感じやすいのか、どのような食べ物を欲しているのかなどを客観的に把握することができます。自分の食行動を理解することで、より適切な対処法を見つけることができるでしょう。

まとめ

「魅惑の食べ物」に対する罪悪感を、「ご褒美」というポジティブな感情に変換することで、ダイエットはより成功に近づきます。我慢ばかりの辛いダイエットではなく、食事を楽しみながら、心身ともに健康的なダイエットを目指しましょう。大切なのは、食べ物を敵視するのではなく、賢く付き合っていくことなのです。

参考文献

Kuijer, R., Boyce, J., & Marshall, E. (2015). Chocolate cake. Guilt or celebration? Associations with healthy eating attitudes, perceived behavioural control, intentions and weight-loss. Appetite, 84, 146-152. DOI: 10.1016/j.appet.2013.11.013

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