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近年、健康や美容への関心の高まりから、様々な食品やサプリメントが注目を集めています。その中でも、古くから漢方薬として用いられてきた銀杏は、近年、その多岐にわたる健康効果が科学的に解明されつつあり、再び脚光を浴びています。

本記事では、銀杏に秘められたパワーを、最新の研究結果に基づいて解説していきます。ダイエット、美容、健康増進など、様々な効果が期待される銀杏について、詳しく見ていきましょう。

銀杏とは?

銀杏(ギンナン)は、イチョウ科イチョウ属の落葉高木になる種子のことです。中国原産で、日本には仏教伝来とともに渡来したとされています[1]。秋になると黄色く色づく葉や、独特の風味を持つ種子は、日本人にとって馴染み深いものです。

銀杏には、フラボノイド、ギンコライド、ビロバライドなど、様々な有効成分が含まれています[1]。これらの成分が、抗酸化作用、血行促進作用、認知機能改善作用、抗炎症作用など、様々な健康効果をもたらすと考えられています。

銀杏の健康効果

抗酸化作用

銀杏には、ケルセチンやケンフェロールといった、ポリフェノールの一種であるフラボノイドが豊富に含まれています[1]。フラボノイドは、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。

抗酸化作用とは、体内で発生する「活性酸素」という物質を抑制する働きです。活性酸素は、細胞にダメージを与え、老化や様々な病気の原因となることが知られています[2]。

銀杏に含まれるフラボノイドは、この活性酸素を除去してくれるので、細胞を保護し、老化防止や病気の予防に役立つと考えられています。

血行促進作用

銀杏に含まれるギンコライドやビロバライドという成分は、血液をサラサラにする効果があります[2]。

血液の流動性が向上すると、血行が促進され、体の隅々まで酸素や栄養が行き渡るようになり、冷え性や肩こり、腰痛の改善などが期待できます[3]。また、脳への血流も促進されることで、認知機能の向上も期待できます[4]。

認知機能改善効果

様々な研究から、銀杏は記憶力や集中力などの認知機能を向上させる可能性が示唆されています[4]。

ある研究では、軽度認知障害(MCI)の患者さんに銀杏を摂取してもらったところ、記憶力や注意力が改善したという結果が出ています[4]。また、アルツハイマー病の予防にも効果が期待されています[4]。

抗炎症作用

銀杏には、炎症を抑える効果もあることが分かっています[4]。炎症とは、体を守るための反応ですが、過剰になると体に悪影響を及ぼすことがあります[5]。銀杏は、この炎症を抑えることで、アレルギー症状の緩和や、関節炎などの炎症性疾患の予防に役立つ可能性があります。

銀杏とダイエット

銀杏は、ダイエットにも効果が期待できる食品です。

  • 脂肪燃焼効果: 銀杏に含まれるギンコライドは、脂肪細胞の分解を促進する酵素であるホルモン感受性リパーゼの活性を高める可能性があります[5]。

  • 代謝促進効果: ビロバライドは、脂肪の蓄積を抑制する効果や、糖の代謝を促進することで、体脂肪の減少に繋がる可能性があります[6]。

  • 食欲抑制効果: 銀杏の独特の風味は、食欲を抑える効果があると言われています[7]。

これらの効果により、銀杏は健康的なダイエットをサポートしてくれると考えられています。効果を高めるためには、銀杏の摂取と並行して、適度な運動やバランスの取れた食事を組み合わせることが重要です。

銀杏と美容

銀杏は、美容にも嬉しい効果をもたらします。

  • 美肌効果: 銀杏に含まれるフラボノイドは、コラーゲンの分解を抑制し、肌の弾力性を維持する効果があります[7]。
    また、血行促進作用によって、肌のターンオーバーが促進され、くすみやシミの改善に繋がる可能性があります。

  • 美髪効果: 血行促進作用により、頭皮の血行が改善され、髪の毛の成長を促進する効果が期待できます[4]。

  • 抗炎症作用: 銀杏の抗炎症作用は、ニキビや肌荒れの予防に効果的です[4]。

銀杏の摂取方法と注意点

銀杏は、炒って食べる、茶碗蒸しや炊き込みご飯に入れるなど、様々な方法で摂取できます。

しかし、銀杏は食べ過ぎると中毒症状を起こす可能性があるため、注意が必要です[4]。1日に食べる量は、大人で10粒程度までにしておくことが推奨されています[1]。また、銀杏アレルギーを持つ人は、摂取を控えてください[1]。

銀杏を使ったレシピ例

銀杏ご飯

銀杏の風味と食感が楽しめる、秋らしい炊き込みご飯です。

お米と一緒に、殻をむいた銀杏を炊飯器に入れて炊くだけで簡単に作れます。だし汁や醤油などで味付けすると、さらに風味がアップします。

銀杏の炒め物

銀杏を炒め物にすると、香ばしさが引き立ちます。

ベーコンやきのこなど、お好みの具材と一緒に炒めて、醤油やみりんなどで味付けしてください。お酒のおつまみにもぴったりです。

銀杏と鶏肉の煮物

銀杏と鶏肉を一緒に煮込むと、お互いの旨味が引き立ちます。

だし汁、醤油、みりんなどで味付けし、じっくり煮込んでください。優しい味わいの煮物が楽しめます。

その他

その他にも、銀杏は様々な料理に活用できます。

  • 茶碗蒸し
  • 炊き込みご飯
  • おでん
  • パスタ
  • サラダ
  • スープ

ぜひ、色々なレシピに挑戦して、銀杏の美味しさを楽しんでみてください。

まとめ

銀杏は、古くから親しまれてきた食材ですが、最新の研究により、その様々な健康効果が明らかになってきました。抗酸化作用、血行促進作用、認知機能改善作用、抗炎症作用など、様々な効果が期待できます。

また、ダイエットや美容にも効果が期待できることから、健康的なライフスタイルをサポートしてくれる食品と言えるでしょう。

ただし、食べ過ぎには注意が必要です。適切な量を摂取し、銀杏のパワーを最大限に活かしましょう。

参考文献

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