ダイエットに挑戦しているけど、なかなか効果が出ない…、そんな悩みをお持ちのあなたへ。
食事制限や運動もいいけれど、もっと効率的に、そして健康的に痩せる方法があるんです。
その秘密は、赤い宝石とも呼ばれる「トマト」に隠されています。
トマトの赤い色素の正体、それが「リコピン」。
リコピンは、強力な抗酸化作用を持つことで知られていますが、近年、脂肪燃焼効果も期待されている成分なんです。
この記事では、リコピンの脂肪燃焼効果のメカニズムから、効率的な摂取方法、リコピンを多く含む食品まで、詳しく解説していきます。
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リコピンとは?
リコピンは、トマトやスイカ、ピンクグレープフルーツなどに含まれる赤い色素成分で、カロテノイドの一種です。強い抗酸化作用を持つことで知られており、近年では脂肪燃焼効果も注目されています。カロテノイドは、植物が光合成を行う際に必要な色素ですが、ヒトの体内ではビタミンAに変換されるものと、変換されないものがあります。
リコピンはビタミンAに変換されないカロテノイドで、体内で合成することができないため、食事から摂取する必要があります。
実は、リコピンは「フィトケミカル」の一種。フィトケミカルとは、野菜や果物に含まれる、健康に良い効果をもたらす化学物質のことです。[1]。植物が紫外線や害虫から身を守るために作り出している成分で、私たち人間がフィトケミカルを摂取すると、様々な健康効果が期待できることが分かってきました[2]。
リコピンの効果効能
リコピンは、様々な健康効果をもたらす成分として注目されています。
脂肪燃焼効果
リコピンには、脂肪燃焼を助ける効果があることが、近年の研究で明らかになってきました。
脂肪細胞には、脂肪を蓄積する働きを持つ「白色脂肪細胞」と、脂肪を燃焼させる働きを持つ「褐色脂肪細胞」の2種類があります。
リコピンは、褐色脂肪細胞の働きを活性化させ、脂肪燃焼を促進する効果があると考えられています[3]。
また、リコピンは、脂肪細胞の分化を抑制する効果も確認されています[4]。つまり、リコピンは、脂肪を燃焼させるだけでなく、脂肪細胞が増えるのを防ぐ効果も期待できるのです。
動物実験では、リコピンを摂取したマウスの体重増加が抑制され、体脂肪が減少したという結果が出ています[5]。
ヒトを対象とした臨床試験でも、リコピンを摂取することで、内臓脂肪や皮下脂肪が減少したという報告があります[6]。
抗酸化作用
リコピンは、脂肪燃焼効果だけでなく、強力な抗酸化作用も備えています。
活性酸素は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が変化したもので、細胞を傷つけ、老化や様々な病気の原因となることが知られています[7]。
リコピンは、この活性酸素を除去する働きがあり、細胞の酸化を防ぎ、老化や生活習慣病を予防する効果があります[8]。
具体的には、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを低減する効果が期待されています[9]。
その他の健康効果
リコピンには、その他にも様々な健康効果が報告されています。
美肌効果:リコピンは、紫外線による肌のダメージを防ぎ、シミやしわを予防する効果があります[10]。
眼病予防:リコピンは、白内障や加齢黄斑変性などの眼病を予防する効果があります[10]。
骨粗鬆症予防:リコピンは、骨の形成を促進し、骨粗鬆症を予防する効果があります[10]。
リコピンを効率的に摂取する方法
リコピンを効率的に摂取するには、いくつかのポイントがあります。
まず、リコピンは脂溶性ビタミンであるため、油と一緒に調理すると吸収率がアップします。オリーブオイルやチーズなどを加えて調理するのがおすすめです。
また、β-カロテンやビタミンEなど、他の抗酸化物質と一緒に摂取すると、相乗効果でさらに効果が高まることが期待できます。緑黄色野菜やナッツ類などを一緒に食べるように心がけましょう。
さらに、リコピンは、生のトマトよりも加熱調理したトマトの方が吸収率が高くなります。これは、加熱によって細胞壁が壊れ、リコピンがより多く吸収されるためです[11]。
リコピンを多く含む食品
リコピンを効率よく摂取するために、積極的に食べたい食品を、リコピン含有量とともに紹介します。
トマト
トマトはリコピンの代表的な供給源です。様々な種類があり、リコピン含有量は品種によって異なります。一般的に、赤いトマトほどリコピンが多く含まれています。
- 大玉トマト:100gあたり約3.0mg
- ミニトマト:100gあたり約3.9mg
- フルーツトマト:100gあたり約2.5mg
生のトマトよりも、トマトジュースやトマトピューレなどの加工品の方が、リコピン含有量が多い傾向があります。
トマト加工品
トマトジュース、トマトソース、ケチャップ、トマトピューレなどのトマト加工品は、生のトマトよりもリコピン含有量が多い傾向があります。
- トマトジュース(無塩):100gあたり約10mg
- トマトケチャップ:100gあたり約13mg
- トマトピューレ:100gあたり約12mg
毎日手軽にリコピンを摂取したい場合は、これらの加工品を活用するのがおすすめです。
その他の食品
- トマト以外にも、リコピンを含む食品はいくつかあります。
- スイカ:100gあたり約4.1mg
- ピンクグレープフルーツ:100gあたり約3.0mg
- グァバ:100gあたり約5.2mg
- パパイヤ:100gあたり約1.8mg
- 柿:100gあたり約1.4mg
- アプリコット:100gあたり約0.9mg
- ローズヒップ:100gあたり約0.7mg
- クコの実:100gあたり約0.5mg
これらの食品を、日々の食生活にバランスよく取り入れてみましょう。
サプリメントの利用
リコピンは、食品から摂取するだけでなく、サプリメントで補うこともできます。
リコピンサプリメントは、手軽にリコピンを摂取できるというメリットがありますが、食品から摂取する場合と比べて吸収率が低いというデメリットもあります。
また、サプリメントの種類によっては、添加物が含まれている場合もあるため、注意が必要です。
リコピンサプリメントを選ぶ際は、配合量や原材料などをしっかりと確認し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
まとめ
この記事では、リコピンの効果効能、効率的な摂取方法、リコピンを多く含む食品などについて解説しました。
リコピンは、脂肪燃焼効果や抗酸化作用など、様々な健康効果が期待できる成分です。
トマトなどの食品から摂取するだけでなく、サプリメントで補うこともできます。
この記事を参考に、リコピンを積極的に摂取し、健康的な毎日を送りましょう。
参考文献
- Bourgaud F, Gravot A, Milesi S, Gontier E. Production of plant secondary metabolites: a historical perspective. Plant Sci. 2001;161(5):839-51.
- Liu RH. Health benefits of fruit and vegetables are from additive and synergistic combinations of phytochemicals. Am J Clin Nutr. 2003 Sep;78(3 Suppl):517S-520S. DOI: 10.1093/ajcn/78.3.517s.
- Fu X, Sun X, et al. Lycopene improves brown adipose tissue activity and alleviates metabolic disorders in high-fat-diet-induced obese mice. J Funct Foods. 2020;64:103671. DOI: 10.1016/j.jff.2019.103671.
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