「ダイエットに成功した!」と思ったら、あっという間にリバウンドしてしまった…そんな経験はありませんか?
実は、リバウンドにはきちんとした科学的な理由があるのです。
今回は、ダイエットのリバウンドが起こるメカニズムについて、できるだけわかりやすく解説していきます。
ホメオスタシスってなに?
私たちの体は、ホメオスタシス(恒常性維持機能)という機能が備わっています。
ホメオスタシスとは、体温や血糖値、血圧など、体の状態を一定に保とうとする機能のことです。
たとえば、暑い日に体温が上昇すると、汗をかいて体温を下げようとしますよね?これはホメオスタシスの一種です。
体重もまた、ホメオスタシスによって一定に保たれています。
急激な体重変化が起こると、体はそれを異常事態だと判断し、元の体重に戻そうとするのです。
これが、リバウンドが起こる大きな原因の一つです。
リバウンドの鍵を握る「エネルギーギャップ」とは?
ダイエット後の体は、エネルギーギャップと呼ばれる状態に陥りやすい状態です。
エネルギーギャップとは、簡単に言うと、「食べたい!」という欲求(食欲)と、「実際に消費するエネルギー」のバランスが崩れてしまい、食欲の方がはるかに大きくなってしまう状態のこと。
ダイエット中は食事制限などで摂取カロリーを抑えているため、体はエネルギー不足を感じています。
すると、体は「もっとエネルギーを摂らないと!」という指令を出し、食欲を増進させます。
同時に、体は省エネモードに切り替わり、エネルギー消費量を低下させます。
つまり、食欲は増えるのに、エネルギー消費量は減ってしまうという、なんとも厄介な状態になってしまうのです。
これがエネルギーギャップです。
エネルギーギャップの状態では、食欲に負けて食べ過ぎてしまいやすく、リバウンドのリスクが高まります。
エネルギーギャップはなぜ起きる?
エネルギーギャップが起こる原因は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、食事制限によるホルモンバランスの変化です。
食欲をコントロールするホルモンには、レプチンとグレリンがあります。
レプチンは食欲を抑えるホルモン、グレリンは食欲を増進させるホルモンです。
ダイエットによって体重が減ると、レプチンの分泌量が減少し、グレリンの分泌量が増加します。
その結果、食欲が増進しやすくなってしまうのです。
2つ目は、体の省エネ化です。
ダイエットによって体重が減ると、体はエネルギー消費を抑えようとします。
これは、少ないエネルギーでも生きていけるように、体が適応しているためです。
具体的には、以下の様な変化が起こります。
- 基礎代謝の低下: 生命維持に必要なエネルギー消費量が減少し、省エネモードになります。
- 活動量の減少: 無意識のうちに動く量が減り、エネルギー消費量が低下します。
- 体温の低下: 体温を維持するためのエネルギー消費が抑えられます。
これらの変化により、エネルギー消費量が減少し、エネルギーギャップが生じやすくなるのです。
リバウンドを防ぐには?
リバウンドを防ぐためには、エネルギーギャップを解消することが重要です。
具体的には、以下のポイントに注意しましょう。
- 無理なダイエットをしない
急激な体重変化は、体に大きな負担をかけ、エネルギーギャップを引き起こしやすくなります。 健康的な食生活、適度な運動を心がけ、無理のないダイエットをしましょう。 - たんぱく質をしっかり摂る
たんぱく質は、筋肉の材料となる栄養素です。 筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、エネルギー消費量を増やすことができます。 また、たんぱく質は消化に時間がかかるため、満腹感を得やすく、食欲を抑える効果も期待できます。 - ストレスを溜めない
ストレスは食欲を増進させる原因となります。 ストレスを解消するために、趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を作ったりしましょう。 - 十分な睡眠をとる
睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンの分泌を促し、食欲を抑えるホルモンの分泌を抑制します。 十分な睡眠をとることで、ホルモンバランスを整え、食欲をコントロールしましょう。 - ダイエット後も継続できる食生活を
ダイエットが終わった後も、健康的な食生活を維持することが大切です。 極端な食事制限ではなく、バランスの取れた食事を心がけましょう。 - 運動を習慣化する
運動は、エネルギー消費量を増やすだけでなく、基礎代謝を上げる効果も期待できます。 ダイエット中だけでなく、ダイエット後も運動を習慣化することで、リバウンドを防ぎましょう。
まとめ
今回は、ダイエットのリバウンドが起こるメカニズム、特にエネルギーギャップについて詳しく解説しました。
リバウンドを防ぐためには、エネルギーギャップを解消し、体に負担をかけない無理のないダイエットを心がけることが大切です。
この記事が、ダイエットを成功させるための一助となれば幸いです。