「朝食は一日で一番大切な食事」って、昔からよく言われてきましたよね。でも実際、朝食って本当に必要なのでしょうか?ダイエットや筋トレに励んでいる人にとっては、特に気になるポイントですよね。
昔は「朝食はガッツリ、昼食はほどほどに、夕食は質素に」なんて言われていましたが、最近は必ずしもそうとは限らないようです。
最新の研究では、朝食と健康の関係について、様々なことがわかってきています。今回は、朝食を食べるとどうなるのか、食べないとどうなるのか、科学的な視点から詳しく見ていきましょう。
朝食抜きに関する様々な研究結果
朝食と健康の関係については、多くの研究が行われていますが、その結果は一貫していません。
体重への影響
- BMIとの関係:朝食を抜く人とBMIの関係については、相反する研究が発表されています。
いくつかの研究では、朝食を抜くとBMIが高くなる傾向があると報告されている一方で、関連性がないとする研究や、体格によって影響が異なるとする研究も存在します。
- ある研究では、朝食を抜く人はBMIが高い傾向があるという結果が出ています[1]。
- 一方、別の研究では、朝食とBMIの間に関連性は見られないという結果も出ています[2]。
- さらに、体格によって影響が異なるという研究結果もあります。太りすぎの子供が朝食を抜くとBMIが下がる傾向があるのに対し、標準体重の子供が朝食を抜くとBMIが上がる傾向があるという研究もあります[3]。
- 代謝への影響:実験室ベースの研究では、朝食を抜くことはエネルギー消費や代謝に影響を与えないという結果が出ています[4, 5]。(ただし、これらは実験室という限られた環境で行われたものであり、日常生活における影響とは異なる可能性があり、注意が必要です)
- 体重減量への影響:ある研究では、朝食を抜いたグループの方が、他のグループよりも体重が減少したという結果が出ています[5]。(ただし、体重減量に成功した要因が朝食を抜いたことだけとは限らないため、注意が必要です)
これらの結果から、朝食を抜くことが体重増加に直接つながるというわけではないと考えられます。
その他の影響
- 食後の血糖値:朝食を食べることで、食後の血糖値の上昇を抑えられるという研究結果があります。
- 集中力・認知機能:朝食を食べることで、集中力や認知機能が向上するという研究結果があります。
- 気分:朝食を食べることで、気分が安定しやすくなるという研究結果があります。
このように、朝食と健康の関係は複雑であり、まだ明確な結論は出ていません。今後の研究によって、より詳しいことが明らかになることが期待されます。
朝食を抜くメリット・デメリット
朝食を抜くメリットは、1日の総カロリー摂取量を減らせることです。ダイエットの基本は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ることです。朝食を抜けば、自然と摂取カロリーを抑えられます。
【朝食を抜くメリット】
- ダイエット効果:摂取カロリーを抑え、体重減量を促進
- 時間短縮:朝食の準備や食事の時間を節約
- ファスティング:ファスティングと同じような健康効果が期待できるかもしれない
【朝食を抜くデメリット】
- 筋肉量減少:タンパク質摂取の機会が減り、筋肉が分解されやすくなる
- 体内時計の乱れ:概日リズムの乱れによる代謝や睡眠の質の低下
ダイエット・筋トレ目的なら朝食はどうする?
ただ単に体重を軽くしたいだけのダイエットが目的なら、朝食を抜くのは有効な手段と言えます。
ですが、筋トレに励んで、美しい体・健康的な体を目指している人は、朝食を含め、タンパク質をこまめに摂取することが大切です。
朝食の代わりに何を食べる?
朝食を抜く場合は、水分補給をしっかり行いましょう。
水分が不足すると、代謝が低下し、脂肪燃焼効率が悪くなってしまいます。また、便秘や肌荒れ、疲労感の原因にもなり、ダイエットや健康に悪影響です。ダイエットや健康のためにも、こまめな水分補給を心がけましょう。
また、ボディメイクを考えている人は、プロテインドリンクなどを利用して、こまめにタンパク質を摂取できるようにしましょう。
結論
自分に合った朝食を見つけよう!
結局のところ、朝食を食べるべきかどうかは、個人の目標やライフスタイルによって異なります。
朝食を食べる習慣がある人は、無理にやめなくても大丈夫です。ただし、健康的な食生活を送るためには、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
自分の体と向き合い、ライフスタイルに合った方法を見つけることが大切です。
参考文献
[1] Smith KJ, Gall SL, McNaughton SA, et al. Skipping breakfast: longitudinal associations with cardiometabolic risk factors in the Childhood Determinants of Adult Health Study. Am J Clin Nutr. 2010;92(6):1316-1325.
[2] Farshchi HR, Taylor MA, Macdonald IA. Deleterious effects of omitting breakfast on insulin sensitivity and fasting lipid profiles in healthy lean women. Am J Clin Nutr. 2005;81(2):388-396.
[3] Rampersaud GC, Pereira MA, Girard BL, Adams J, Metzl JD. Breakfast habits, nutritional status, body weight, and academic performance in children and adolescents. J Am Diet Assoc. 2005;105(5):743-760; quiz 761-742.
[4] Leidy HJ, Ortinau LC, Douglas SM, Hoertel HA. Beneficial effects of a higher-protein breakfast on the appetitive, hormonal, and neural signals controlling energy intake regulation in overweight/obese, “breakfast-skipping,” late-adolescent girls. Am J Clin Nutr. 2013;97(4):677-688.
[5] Sievert K, Hussain SM, Page KA, et al. Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2019;364:l42.